2011年5月11日水曜日

裸の王様

こんにちは!
ベルエールの町田&元木です。
先週、家族で劇団四季の
『裸の王様』を見てきました!

子供向けに演出されたお芝居で、
しかもチケットは震災前に買った物だったのですが、
見ていて、震災後の日本を風刺しているように見えて、大変驚いてしまいました。

アンデルセン原作のこの物語は、
原作に忠実に、でも劇団四季の浅利慶太さんの、
絶妙な演出で、国家というものを風刺しているように感じました。

物語の、ことの発端は、
衣装が大好きな“王様の衣装への執着”です。

そして、ご存知のとおり、まず
最高の衣装を求め続ける“王の執着”に目をつけた、
お茶目な男女2人組のペテン師が、“実際は存在しない”
目に見えない衣装というペテンを考え出します。

王様の周りには、大臣をはじめとする優秀な人材や
取り巻きが沢山いて、王様はその中でも同じ衣装好きの
派手な大臣を最もかわいがっています。

そんな中で、ペテン師が仕掛けた本当は存在しない衣装の
制作が始まります。何しろ“見えないと馬鹿”と診断される
本当はない洋服ですから、まず頭の良い人達から、ペテンに
引っかかり始めます。つまり王の取り巻き、優秀な大臣たちから、
見えないものを見えると言い始めるわけです。

優秀な大臣達が、見えるというわけですから、
その他の王の取り巻きから、従者、そして庶民に至るまでは、
“嘘をついて見えるという者”から、
私は“頭が良くないから見えないと思い込む”者まで、
すべて“見えない洋服があるという妄想”から、発想するように
なります。

王様は、この集団洗脳が完了した後に、初めて衣装の
制作の様子を見に行きます。

“私は馬鹿だから見えないけど手が覚えているから縫えるのよ”
という縫い子の女性達が作業をするのを見て、自分が洋服が
見えないことに気が付きます。

そこで、大臣に「本当に見えるかね?」と聞くわけですが、
ペテンの洗脳が完了してますので、
「も、もちろん見えますとも。。美しい衣装ですね!」と、
応えるわけです。

王様が信頼する周りの取り巻きが見えるという
わけですから、自分もやはり馬鹿ではいけないと思うので、
しぶしぶ、衣装は見えて存在するのだということにします。

さらに、王様はその後、裸じゃないですかと伝えた、
戦士の部下の一人を“くび”にしてしまいます。

また、王様と趣味が同じで可愛がられていた大臣については、
途中でペテンに気が付いていました。しかし、彼は、そのまま
「騙された振りを続ける」ことで、自分に皇女との結婚という
メリット(利権)がくることを知っていました。

そこで「うーん。まあ毒を食らわば皿までだな。。」

名台詞を吐いて、衣装は実在しないと知りつつも、
「美しい衣装ですねぇ」と言いつづけます。

お茶目な男女2人のペテン師が、王国すべてを洗脳しました。

そして、いよいよ衣装のお披露目パレードです。
王様は、裸のまま、国民の前に立ちます。

そして、既にこの時すに、ペテン師はお金をもらって
すっかり逃亡してしまっています。

華やかなお披露目のときに、ある誠実な庶民の一人が、
王様に勇気を持って膝を突いて誠実に伝えました。

「お、王様は裸じゃないですか。」

にわかに、パニックが起きます。
この、無礼な庶民は何を言っているのかと。。。

しかし、既に国民の前です。
会場からは、子供達の笑い声と、大きな歌声が王様に届きます。

「王様は裸だ!何にも着ていない!ゲラゲラ アハハ!」

王様や大臣は大パニックです。

しかし、子供達と国民の声に王様は気が付くのです。
「ああ、やはり私は裸だったのだ」と。。

本来、王様は国民のことを思う存在です。
だから、王様であることを選んでいるのです。

しかし、王様は神様ではありません。
すべてを知っているわけではなく、一人の限られた人間です。
ですから、ペテンにも引っかかるし、信頼する取り巻きにも
影響されます。

しかし、真実が明らかになれば、王様は変わり、
正しい指導力を発揮することができるようです。

“見えない洋服”を、“原子力の安全性”と置き換えると
まさに今の日本の世相とかぶって私たちには見えました。

いつの時代も人間模様は同じなようです。
アンデルセンはやはり凄い! 
劇団四季の浅利慶太さんも演出をありがとう!

いつの時代も同じ。だとすれば、
私たち、庶民というか市民に今、できることは、

「王様は裸だ! おかしいものはおかしい!」

と、言うことだと思います。

ネット社会で、市民の声は大きく確実に、
王様に届くようになりました。

愛と勇気と誠実さを持って、一人ひとりが、
どんどん声を出していきましょう!

命と子供の未来のために、より良い地球へ向おうという
気持ちは、王から庶民まで、きっと同じはずですから。。

いつもありがとうございます。

感謝

ベルエール
町田&元木

劇団四季 裸の王様 
http://www.shiki.gr.jp/applause/hadaka/
お芝居っていいですね!

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