2011年4月30日土曜日

放射能が降った土地の野菜を買えない理由

こんばんわ!
ベルエールの町田と元木です。

「皆で、被災地の野菜を買って支援しよう!」
「風評被害に負けるな! 私たちが応援する!」

という論調が世の中に流れていますが、
個人的には、どうしても同調ができません。

なぜかというと、誰が得をするかを考えたら、
市民と子供達でないことが明らかだからです。

放射能汚染から始まったこの話を
3つの立場で考えてみました。

1.国と東電と原子力関係者
2.被災した農家の方々
3.私たち国民と未来を背負う子供達

の3つです。

情報を考えるときに、私たちはよく、
誰が一番得をして、誰が一番損をするか考えます。
それぞれ3つの立場の責任を考えると、

1.国と東電と原子力関係者の方々は、
  土地と作物の放射能汚染の当事者で責任者です。
  
2.汚染と風評被害に苦しむ農家の方々は、
  放射能汚染の責任などもちろんありません。

3.多くの国民にも直接的な責任はありません。
  しかも、一部の大人はともかくとしても、
  子供達には放射能汚染の責任など全くありません。

ということだと思います。

だとすれば、放射能汚染された食品を“被災地支援”と称して
販売キャンペーンするような動きは、国の責任をもみ消して、
放射能汚染の責任を子供たちに押し付ける行為に他なりません。

今回のケースでは、原子力事故の後に、
当事者である国と原子力関連団体によって
“安全な数字”というものが決められています。

そして、彼らが一方的に決めたその数値以下であれば、
大丈夫だから信頼して食べなさいという理論から始まっています。

さらには、風評被害という魔法の言葉を作り、
言葉を早急に拡大して、
風評に加担するものは悪い人だというイメージまで、
上手に作り出してしまいました。

例えば、
「皆で、被災地の野菜を買って支援しよう!」
「風評被害に負けるな! 私たちが応援する!」

という言葉を上手に使えば、
被災地のことを思う良い心の人は、
どんどん反対意見が言えなくなることが明白です。

もし、これが意図的であれば、
私は、これは人の良心を巧みに利用した、
見事な情報操作だと思います。

そして、この件で、
誰が得をして、誰が損をするか考えると、
とても心配になるのです。

この件で最も損をするのは、
子供達です。

そして最も得をしているのは、
国と原子力関係の人です。

今回、国と原子力関係者は、
放射能汚染を受けた農家さん達を、賠償する義務があります。

今回は、本来決まっていた法律の数値であれば、
農地を破棄するぐらいの汚染であったはずです。

しかし、そこまで賠償できないので、破棄しなくても良いように、
新しい暫定基準値というものを作りました。

すると、規定値以下の放射能は丈夫だから賠償しない、
という理屈ができます。

そして次に、農地を破棄しないのであれば、
農作物を、売らなければいけません。

どうすれば良いか?

売るためには販売キャンペーンを行うしかありません。。。

それが、マスコミの論調であり、心のやさしい良い人がそれを信じて、
がんばって買っているという悲しい事実だと思います。

しかも、子供たちが最大の犠牲者にさせられるというがの、
個人的には全く持って理解できません。

福島県いわき市では、
給食に福島産の牛乳野菜を使うと言い出し、
市長さんが、その理由について、

「福島産の牛乳や食材は危険だという風評を払拭するため」
と言われたとのことです。
http://news.livedoor.com/article/detail/5519865/

子供の命か、それとも福島の産業か?

どちらも大切かもしれません。しかし優先順位は、
考える必要があるのです。

もちろん私たちも、被災地の農業や産業何とかしたいという気持ちや、
国に協力して皆で復興をしたいと強く考える者の一人です。

しかし、残念ですが、今のような被爆隠蔽を助長するような
農作物の販売キャンペーンを推奨する気にもなれません。

実際に、多くの人の声が封じられています。しかし実際は
多くの人は、誰も国や暫定規定値を信用していませんし、
そもそも今の国のやり方では、未来に希望がありません。

現地の人を支援するなら、いかなる手段であれ、
本当に支援すれば良いのだと思います。
それは、放射能汚染を揉み消すために、国民が率先して
食べて見せなければいけないということではありません。
これらは、別けて考えられるべきだと思います。

実際、国の権力とメディアに、これだけ怪力を使われると、
一般市民では、本当にひとたまりもないというのが今回、
非常に良くわかりました。

今までも相当やられてきたに違いありませんが、
この期に及んでは、通用しないし、時間稼ぎぐらいにしかならないでしょう。
しかし、この問題を先延ばしにすることは被爆のリスクが増しているということで
笑えません。

本来、日本国民は、正しい情報と認識の下に、真剣に被爆リスクと向き合って、
問題解決のためのアクションをしていなければいけないはずです。

ですから、私たちは今、遠慮なく声を出していくことが
大切だと思われます。

おかしいものは、おかしい! と。。。

私たちは、
人々の良心を利用して上手に隠蔽しようとする意図がもし
国やマスコミに微塵でもあれば、それにはNOと言います。

また将来のリスクを少しでも国が隠蔽しようとするなら、
その対応にもNOです。

私たちが今できることは、
国やマスコミの、その手の論調に絡め取られないように、
身近な人と、信頼できる仲間達と、ダイアログ、会話を
持って行くことが大切だと思われます。

インターネットは、既にテレビなどのマスコミよりも
ずっと真実に近いソースを伝えることができるメディアになりました。
一人ひとりがつながる力が、今ほどパワフルな時はないと思います。

まず自分と、子供と家族を大切にし、
そして、仲間達と、本当に大切と思われるあり方を
本音で話しながら、その未来について話していくことが、
必ずより良い未来への変容を起こしていくと信じています。

一人では何もできませんが、
公明正大に、対話を通してつながっていくことで、
私たちは大きな力を作っていくことができると信じます。

いつも本当にありがとうございます。

感謝